春は環境が変わる季節なので、何か新しい趣味をはじめたい方も多いでしょう。経済的で健康にもよいジョギングやランニングはいかがでしょうか?汗をかくと気持ちがいいですし、血液の循環がよくなるので、美容にもいいですし、頭が冴えて仕事の効率も上がります。女性には嬉しいダイエット効果も高いのでとてもおすすめ。
ジョギングやランニングに慣れてきたら、マラソンに参加することを目標にすると、より楽しみの幅が広がります。全国各地でマラソン大会が行われているので、各地の空気を感じながら走るものもいいものです。そんなジョギングをダイエット目線で考えてみました。
ジョギングとは?
そもそもジョギングとは何なんでしょうか?ランニングとジョギングの違いは?
調べてみると、ウォーキングの延長でゆっくり走るのがジョギング、さらに息が弾み速く走るのがランニング。
ジョギングとランニングは運動強度が違うんですね。でもすごく抽象的過ぎてわかりにくいですね。もちろん人によって違うんだと思うんですが、ゆっくりってどれくらいのペースなんでしょうね。
そんなわかりにくい運動強度を測るので参考になるのが、心拍数とメッツという指標です。
心拍数とは?
心拍数というのは、1分間に心臓が血液を送り出した回数です。安静時は60〜85回が理想の心拍数と言われています。運動すると心拍数が高くなりますが、(個人差がありますが)最大心拍数は年齢によって異なります。
運動強度の目安にするときは、「最大の心拍数 × 〇〇%」の計算式を参考にします。
最大心拍数は「220−年齢」で計算します。仮に32歳であれば、「220−32」なので最大心拍数は188です。
もちろん、普段から運動している人は、この数字より最大心拍数が高い可能性がありますし、不健康で運動不足の人はもっと低い可能性があります。なので、目安として考えてください。
他にも、「208‐0.7×年齢」という計算方法もありますが、この場合は185.8なので、おおよそ同じくらいの心拍数なので、簡単な計算式を活用してもらえたら大丈夫です。
メッツとは?
安静時を1メッツとして時に、それぞれ何倍の活動をしているのかを表したものです。参考値はこちらです。
- 階段の上り下り 3.5メッツ
- 掃除機をかける 3.5メッツ
- 草むしり 4.0メッツ
- 太極拳 4.0メッツ
- 水泳 8.0メッツ
- スカッシュ 12.0メッツ
(参考:https://club.panasonic.jp/diet/exercise/mets/index_3metsdiet.html)
ウォーキングの心拍数とメッツ
- 3メッツ
- 最大心拍数の60%くらいが目安
- 私の場合は112bpmです
ジョギングの心拍数とメッツ
- 6メッツ
- 最大心拍数の70%くらいが目安
- 私の場合は131bpmです
ランニングの心拍数とメッツ
- 8メッツ
- 最大心拍数の80%くらいが目安
- 私の場合は150bpmです
ダイエット目的で運動するなら、ジョギングが一番?
ダイエット目的で運動するのであれば、運動強度が高いランニングをすることが効果的と思われがちですが、運動強度とダイエット効果は必ずしも比例はしないようです。ダイエット目的で走るのであればジョギングくらいの運動強度を長い時間続ける方が脂肪の燃焼量は多くなるので痩せやすくなります。
ランニングのペースを上げると運動時間が短くなり、脂肪が燃焼し始める前に運動をやめてしまうことになります。もちろん、1時間は絶対に走りきるという気合いで乗り越えられるタイプの人は、強度を高めれば脂肪の燃焼量は増えていきます。ただ、ダイエットは中長期的に取り組まないとなかなか贅肉を落とすことができません。
フルマラソンは走ったとしても、消費できるカロリーは2,000kcalにも満たない(走り切る時間や体重などによって違いますが、6時間で50kgだと仮定しています。)
42.195kmを走り切っても消費できるカロリーはたかが知れているんです。
食事で摂取するカロリーは気を緩めると簡単に1,000kcalを超えてしまいます。
- カツ丼・・・893kcal
- 親子丼・・・731kcal
- 牛丼・・・909kcal
- かつカレー・・・957kcal
フルマラソンを走りきったし、お肉を食べてエネルギーを補給しないとと思って食べたら、高カロリーな食事を食べたらあっという間にマラソンで消費したカロリーは摂取しちゃうことになります。
フルマラソンを走ったことがある人ならわかると思いますが、走っている途中に栄養補給をしたり、スポーツドリンクを飲んだりしますよね。あれにも当然カロリーが含まれているんです。
食事量を増やしてしまうと、結果として走った以上のカロリーを摂取してしまっているということになりかねません。
だからダイエットって難しいんですよね。少しの気の緩みのせいでなかなか効果がでなくなる。マラソンというものすごくハードな運動をしてもカツ丼、牛丼を食べてしまえば、消費したカロリーは帳消しになってしまう。一回運動や短期間での運動では贅肉を燃焼させることは難しいんです。
だから、ダイエットは継続して行わないといけないんです。でも、継続して行うのであれば効率的に行った方が短い期間で贅肉を落とすことができます。ジョギングやランニングを通じてダイエットを成功したければ、しっかりと、脂肪が燃焼される仕組みを学びましょう。
脂肪が燃焼する仕組み
脂肪が燃焼する仕組みは、大まかに説明すると次の通りです。
1.血中のエネルギーが減少してくると、脂肪誘導ホルモン(アドレナリンなど)がリパーゼの分泌を促し、中性脂肪を分解させます。
2.分解された中性脂肪は脂肪酸とグリセロールに変わる。
3.脂肪酸が血液を通って、細胞内にはいり、ミトコンドリアを通じて、水、二酸化炭素に分解され、その過程でエネルギーが作られる
少し余談になりますが、作られたエネルギーはATPという形で保存されます。筋肉を動かしたり、熱を作ったりするときに使用されます。
筋肉の収縮など生命活動で利用されるエネルギーの貯蔵・利用にかかわる。
「生体のエネルギー通貨」と呼ばれる。
ATPは車で言うと、ガソリンのようなものです。
分解された贅肉はミトコンドリアでエネルギーに変換されますが、体が冷えていたり、老化していくことで、細胞の働きが悪いとエネルギーに変換することができず、分解された脂肪酸は中性脂肪へ戻ってしまいます。なので、体を温め、日々運動をし代謝を良くしていることは大切なんです。
話が逸れましたが、脂肪は分解されると、エネルギーを作り、後は、水と二酸化炭素に分解されて、体外に排出されていくんです。
注目してもらいたいのは「水」「二酸化炭素」「エネルギー」を作り出すという点です。ここを知ることでぐっとダイエット効率が上がると思います。
水ってH2Oで表記すると知っている方もいると思いますが、酸素と水素が結合されてできたものが水なんです。なので、水ができるということは脂肪を燃焼するときには必ず酸素が必要になってくるんです。しかも大量の酸素が必要になるんですよ。
無酸素運動では、脂肪は直接燃焼されない
無酸素運動をしているときは糖質をエネルギー源とするようになっています。
脂肪が燃焼されるのは、エネルギーが不足してくる、運動を開始してから20分後。
強度が強い運動だと、20分も継続して運動することは難しいので、ダイエット目的で筋トレなどの強度が強い運動をするのは効果的ではないです。
有酸素運動が脂肪を燃焼する
有酸素運動は脂肪をエネルギーとする。
血中のエネルギーが不足してくると、脂肪を分解する酵素を分泌して、脂肪を脂肪酸に分解し始めて、糖質から脂肪をエネルギーとするように切り替わる。(100%脂肪を燃料とするわけではなく、糖質と脂肪のハイブリッド型)
強度が高いと糖質を優先的に使用し、強度が低いと脂質を優先的に使用する。
ジョギングは贅肉を燃焼してくれる
代謝には基礎代謝、生活活動代謝、食事誘導性熱代謝の3つの種類があります。エネルギーの消費量が多いのは基礎代謝で、約60%を締めていると言われています。次いで多いのが生活活動代謝で約30%を締めていると言われていて、ジョギングはこの分類に入ります。日々の生活の活動量に応じて消費カロリーが変わってきますが、ジョギングをすることでより消費カロリーを増やすことができます。
ジョギングの消費カロリーはこの計算式で計算することができます。
1.05×メッツ×時間×体重(kg)
ジョギングのメッツは6メッツなので、仮に体重が50kgで一時間ジョギングすると、1.05 x 6メッツ x 1時間 x 50Kgで315kcalを消費できることになります。 1gの脂肪を燃焼するには9kcal必要ですので、一時間のジョギングで約35gの脂肪が燃焼できたことになります。これを1ヶ月続けることで、約1kg(1050g)の脂肪が燃焼されたことになります。
もちろん、運動量を増やすのに比例して、食べる量も増やしてしまうと、燃焼された中性脂肪以上に脂肪がついてしまいますので、ダイエット的にはNGです。もちろん、しっかりとした体を作りたい場合には、筋肉量を増やすために摂取カロリーを増やす必要があります。
摂取カロリーが、運動による消費カロリーを上回る例
運動するとお腹が減ることがあります。エネルギーが不足することにより、カロリーを摂取したくなる生理的な側面と、運動したから多めに食べていいよね、という心理的な側面、の両面があります。
今までご飯茶碗一杯(100g)しか食べてなかった人が、おかわりすると約230kcal摂取することになります。一杯の摂取カロリーは165kcal。1時間のジョギングで燃焼できていた、消費カロリーが315kcalでしたので、85kcalしか脂肪を燃焼できないことになります。
そこに、水分補給のためにポカリスエットを飲むとどうなるか。
ポカリスエットの100mlあたりの摂取カロリーは25kcalなので、500mlのペットボトルを飲むと125kcal。すると、1時間のジョギングをしても、消費カロリーを摂取カロリーが上回ることになります。1ヶ月続けても脂肪は燃焼されず、逆に中性脂肪がついてしまうということもあります。
ジョギングをすることで脂肪は燃焼されますが、運動量が増えるに比例して、食べる量を増やしてしまうようでは贅肉をへらすことは難しいです。
朝の運動の前に吸収の早いバナナなど食べてから走る方もいらっしゃると思います。寝起きは糖質がない状況ですので食べてから運動したほうがよいのですが、バナナ1本にも77kcal含まれています。
ダイエットを成功させたいのであれば、しっかりと消費カロリーと摂取カロリーを意識してください。
食べる量は増やしても摂取カロリーは増やさない
運動すると食欲が増える方も多いと思います。そんな方におすすめななのが、食べる量は増やしても摂取カロリーを増やさない、という習慣です。と言っても、食べ物の摂取カロリーを調べるのが面倒という方もいると思いますので、食べるカテゴリーは変えずに、種類を少し変えるとグーンとやりやすくなると思います。
お肉を食べる場合ですが、今までは牛肉を食べいた方は鶏肉中心の食生活へ、ビールを飲んでいた方はワインに変えるなどです。
肉の部位別のカロリー(100gあたり)
- 牛バラ・・・517kcal
- 牛サーロイン・・・ 498kcal
- 牛タン・・・269kcal
- 牛ヒレ・・・221kcal
- 牛みの・・・182kcal
- 牛ヒレ・・・133kcal
- 鶏もも・・・253kcal
- 鶏むね・・・244kcal
- 鶏むね・・・121kcal
- 鶏ささみ・・・114kcal
- 鶏軟骨・・・54kcal
- 豚バラ・・・434kcal
- 豚ロール・・・265kcal
- 豚ヒレ・・・115kcal
牛・豚をメインで食べていた方は鶏をメインに食べるように変えると摂取カロリーもかなり抑えられると思います。一般の家庭でよく使用されるお肉の種類はバラかと思います。(家庭により違いますが私の実家では多かった気がします)鶏肉をメインにすることでカロリーも半分近くに抑えられることになります。
お酒のカロリー(100mlあたり)
- ビール・・・40kcal
- ワイン・・・73kcal
- 梅酒・・・156kcal
- 日本酒・・・103kcal
- 焼酎・・・146kcal
- ウイスキー・・・237kcal
- ブランデー・・・237kcal
お酒を飲む方もカロリーには気をつけましょう。アルコールは糖質などの他の栄養素よりも優先的に消費されますので、カロリーが多ければその分体内に余る糖質の量は増えます。カロリーの低いお酒を飲むようにしましょう。
お酒を選ぶときは摂取カロリーだけでなく、どれくらいの分量を飲むのかということも考えましょう。焼酎などはアルコール度数が25度と高く、水やロックで飲むと思いますし、それほど量は飲めないかと思います(いくらでも飲めるという特殊な方もいると思いますが)お酒を飲むなら焼酎がおすすめです。ただ、サワーなどで飲むと、果物などにもカロリーが入ってますのでおすすめできません。水割り、炭酸水割、ロックで焼酎を飲むといいと思います。その次はワインがいいかと思います。糖質量も少ないのと、ポリフェノールがたくさん入っているので体にもいいです。
主食のカロリー一覧表
- サバのみそ煮定食・・・687kcal
- 刺身定食・・・489kcal
- あじの塩焼き定食・・・480kcal
- 生姜焼き定食・・・789kcal
- 鶏の照焼定食・・・776kcal
- ねぎとろ丼・・・786kcal
- ざるそば・・・284kcal
- スパゲッティ ミートソース・・・597kcal
- ラーメン・・・443kcal
- 月見うどん・・・419kcal
麺類は栄養が偏りがちですが、カロリーが高くなっています。食べるのであればそばなどを選びましょう。ご飯ものを食べるのであれば、和食の定食などを食べるようにするといいです。その場合はヘルシーなお刺身や焼き魚にするとカロリーを抑えられると思います。みりんや砂糖で味付けをしているものはカロリーが高くなってしまうものが多いです。あと、丼ものはご飯の割合が多いのでカロリーが高い食べ物が多いので注意してください。
糖質の取り過ぎに注意する
これまでは、中性脂肪を燃焼させる方法をお伝えしてきましたが、脂肪をつけないようにすることも大切です。脂肪をつける直接な原因になるのは糖質です。糖質を摂りすぎることで肥満ホルモンが分泌されて中性脂肪がついてしまいます。
糖質(ブドウ糖とは)
血液中では血糖として存在し、インスリンによって濃度がコントロールされています。血液中のブドウ糖濃度が上がるとインスリンの働きで中性脂肪に変えられ、脂肪細胞に蓄えられます。このためブドウ糖を多く摂り過ぎると結果として肥満を招き、生活習慣病にも関係します。
e-ヘルスネット
肥満ホルモンはインスリンのことで、血液中の糖質量をコントロールする上で非常に大切な役割を担っていますが、コントロールするために、脂肪細胞に中性脂肪として糖質を蓄える働きがあります。
肥満ホルモンと呼ばれているので悪者に聞こえますが、インスリンは血液を健康に保つため一生懸命働いてくれるホルモンなんです。悪者は糖質の取り過ぎなんですよ。
糖質の取り過ぎにより、中性脂肪がついてしまいますが、代謝により燃焼するスピードより、贅肉がつくスピードの方が早くなってしまうことにより太りやすくなってしまいます。
ダイエットで贅肉を落としたい方はこの記事も参考にしてみてください。
まとめ
ジョギングで中性脂肪を燃焼させることはできます。ダイエットを効率したい方は贅肉が燃焼される仕組みをしっかり理解してジョギングやランニングをするようにしましょう。
- 脂肪の燃焼が始まるのは、運動を開始してから20分後。
- エネルギーを効率よく燃焼させるためには酸素が必要なので、ダイエット目的な方は無酸素運動ではなく、有酸素運動をする。
- 運動をしても消費カロリーはそれほど多く、フルマラソンでも2000kcalくらい。
運動しても摂取カロリーは増やさない。
摂取カロリーを増やさないように、牛肉は鶏肉、日本酒は焼酎、うどんはそばへ、などの工夫が必要です。
これを意識して運動することで、効率よくダイエットはできますので試してみてください。
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